地方創生の主要な担い手となるべく
自立した地方議員をめざし研鑽する埼玉市議団


 平成26年11月22日さいたま市大宮区で埼玉県市議団協議会研修会が約500人の参加者を得て開催された。
 この協議会は、県政を革新勢力から保守勢力に奪還しようとの志をもって23年前に結成され、現在は埼玉県内の市議約320名を擁する関東でも有数の団体である。
 会長の田中守上尾市議は「市議は国会議員、県会議員の下請け機関ではない。しっかり自立した形で意見具申をし、地域を県を国を良くしていかなければならない」と言う。そのために自ら研鑽を積もうと、講師を招いて定例研修会を開いている。毎回多くの来賓を迎えているが、今回も埼玉県選出国会議員(解散後のため前職)、県会議員、埼玉県上田知事、吉川市戸張市長、桶川市小野市長、秩父市久喜市長ほかの出席や祝電が多数寄せられた。
 さて今回の講師は地方創生担当大臣石破茂氏(以下、石破大臣)である。あと30年もしないうちに地方の半数ほどが消滅するという予測がデータに基づいて突きつけられた平成26年。市議会議員の危機感も深く是非にとの声に応えて、国際経済交流協会米田代表理事が折衝して実現したものである。
 石破大臣は、高度成長期は公共事業と企業誘致で、日本企業も地方も元気であったのに、なぜ平成になってからはうまくいかないのか、と問いかけることから始めた。
 石破大臣は言う。この財政難ではもはや公共事業拡大に期待できない。加えて産業構造の変化がある。アジアが購買力をつけたので消費者に近いアジア各国に工場が移ってしまった。だから大手輸出企業が儲かっても、日本各地の工場に注文がいくことはない。この構造は簡単には変わらない。
 一方で円の高低で国が危なくなるというのもおかしいのではないか。これは食料とエネルギーを外国に依存しているからだが、日本のように海に囲まれ、山の緑は豊かで、四季があって日照と水に恵まれてと、農林水産業の何れも好適地であるのに、これが衰退しているのは、政策に欠けるところがあったのではないか。だからこそ力の入れ方を直していけば、雇用が生まれ所得が生まれる。今まで本気で考えてこなかったことを、国家として考えることによってもう一度日本がよみがえる、と力強く語った。
 また東京五輪もあり観光業が脚光を浴びているが、しかし現在の観光業の「いつでも、どこでも、誰にでも」というあり方には疑問を呈した。「今だけ、ここだけ、あなただけ」という発想に転換できるかが観光業発展のカギだという。
 こうした新しい発想を取り入れていくためにも、地域の団体の構成員なども、官だけ、地域の有力者だけというのではなく、若い人も学者も金融機関も入って、みんなが力と知恵を出すようにしていくことが重要だと指摘した。
 石破大臣は、これからは中央がどうだ、地方がどうだと言っている場合ではない。このままいくと日本はつぶれる。これからの地方は、補助金と企業誘致に頼って生きる時代ではない。地方が日本を引っ張る時代だ、として「我々は課題先進国の日本に生きている。この日本の課題を解決することは、今に生きる我々日本人が世界に対し果たすべき責任であり、かつ次世代の国民に対する責任であります」と締めくくった。
 万雷の拍手は旧来の政策を踏襲するのではなく、創意工夫で時代を切り拓いていこうとする埼玉県市議団協議会の気概の表れでもあったと言えよう。
(本誌取材班・同文責)