経済再生と財政健全化に向けて
(2014年1月発行World Navi)

第2次安倍政権が誕生し、安全保障政策に関して、これまで止まっていた時計の針が確実に動き始めたのを日々実感しています。
 昨年の国会では、特定秘密保護法が成立しました。この法律は、日本の主権や国民の安全を守るために必要不可欠なものです。国民全体の安全を確保するためには、情報管理に対する一定のルールと秩序が必要です。また、各国から信頼され尊敬される日本の外交を取り戻すには、国のリーダーである総理大臣に重要な情報を集約させ、事態に応じた即時即応の国の舵取りを行う必要があります。また、政治家の秘密漏えいには罰則規定がなく、国家の安全保障に関わる重要情報は、適時適切に必要とする政治家に提供されていないのが現状です。正しい文民統制を維持するためにも、主権者の代表者たる政治家に対し、適切に情報が提供される必要があるのです。更に、それぞれの行政機関において、情報の保全措置に差があり、互いに情報を共有し合える体制になっていないのです。本法案は、省庁間に共通した情報管理のルールを定めることで、情報の縦割りの垣根を取り払い、外交・安全保障政策の推進に政府一丸となって取り組めるようにするものです。国民の皆様にも、これらの意義を良くご理解いただきたいと思います。

 さて、その法律の内容について、以下の3点に関して、誤解を解いておかねばならないと思います。
 第1に、特定秘密の範囲についてです。本法律に関する大きな誤解の一つは、「これまで公開されていた一般に知りえる情報が、新たに特定秘密に指定されるのではないか」というものです。これは全くの間違いです。「特定秘密」に指定される情報は、現在でも既に各行政機関において秘密の指定がなされている情報であり、その中でも安全保障に関わる「一部」を新たに「特定秘密」として共有化し、保護を強化するものです。国民の皆さんの知る権利の範囲がこれまでより狭められるわけではないということを、強調しておきたいと思います。
 第2に、国民に必要な情報が、恣意的に特定秘密に指定され、永久に国民に知らされないのではないかという誤解です。
 本法案では、秘密の指定期間を原則30年としていますが、通算30年を超えた延長については内閣の承認が得られなかった場合、通常の公文書管理規則と同様の扱いを受けることとなり、保存期間終了後、歴史文書や内閣総理大臣が保存を必要と認めた文書は国立公文書館等に移管する措置がなされ、情報公開法の対象となります。条文4条に規定する「安全保障上極めて重要な7項目」に関する情報のみ、通算60年を超えて秘密を指定することができます。
 第3に、「原発事故の情報が公開されなくなる」「普通の人がある日突然逮捕される」といった荒唐無稽な誤解です。本法律では、その別表に掲げた、①防衛に関する事項、②外交に関する事項、③特定有害活動の防止に関する事項、④テロリズムの防止に関する事項の情報以外は、秘密に指定することができません。また、政府は、毎年、有識者会議の意見を付して、特定秘密の指定・解除及び適正評価の実施状況について国会報告し、公表する義務を付されています。今後は、「何が特定秘密に指定されているか」のチェックに対しても、第三者機関の設立も視野に検討を重ね、国民の知る権利とのバランスを保つための不断の努力をするものとしています。

 最後に、昔から「情報を制する者は世界を制す」と言います。本年度末に策定される予定の、国家安全保障戦略や防衛計画の大綱においても、情報機能の強化に対して具体的な事項を明記すると共に、来年度の予算策定においては、情報分野における人員の一層の拡充に対し、努力してまいりたいと思います。
 本法律に対する皆様の一層のご理解と、安倍政権に対する引き続きの御支持を心よりお願い申し上げます。